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「ダメだ」
オレサマはいつものソファーにドカッと座り、腕と足を組んだ。
「良いじゃないガジェット〜!!猫だよ?ネコちゃんだよ!?しかもこんなに可愛いんだよ!」
小娘──イーシャはあろうことか猫をダンボールから取り出し、抱き締めようとした!!
「どわあーっ!?!?」
オレサマは急いで立ち上がり、一瞬迷ったあと猫を取り上げた!
白い猫……だが、その、かなり汚れている。
「な、なによ!アンタだって猫を触りたかったんじゃないの?」
猫を奪われた小娘はぴーぴーと鳴き喚く。
うるさい!オレサマだってこうしたくてやったわけじゃない!
「違う!ヘンな病気を持ってたらどうする!触るなら百歩譲って良しとするが、顔に近付けるんじゃない!いいな!?」
オレサマは白猫を抱き上げ、自分の顔より上の高さまで上げる。オレサマはここらでは一番背が高いからな、小娘でさえジャンプしても届くまい。
「ふん!なによなによ!真面目に研究してない研究者のくせに!」
「何とでも言え!」
オレサマはただ自分の頭脳にある知識を少しだけ表に出しただけだ。
「アンタ、意外と心配してくれてるんだ?」
「ブフォ!?」
このナマイキな小娘から出たとは思えないとんでもない言葉に、思わず吹き出してしまった。
「え、そうなの?」
「は、はぁ?オレサマの部屋の心配をしただけだし?それよりも、そいつらが外に出ないうちに早く風呂で洗ってこい!」
「え!飼っていいの!?」
小娘の目が嬉しそうに輝く。
「そんなことは言っていない!」
オレサマは白猫をダンボールに押し戻す。
「…………だが…………まぁ………………」
オレサマは手がどこにも付かないよう、体を起こした。
「今日は、雨だからな」
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