猫を拾われた!

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「すぅ……すぅ……」  体力が尽きたのか、ソファーで小娘が眠っている。  雨の中、猫が入ったダンボールを運んできて、さらに3匹の風呂、ブラックを追いかけ、ゴールド探しをした。  ──まぁ、頑張った方だと思うぞ。  小娘はいろんなことを抱えていた。今も呪いで片目を封じられ続けているが、なんとか元気を取り戻そうと笑顔で振る舞っている。  はぁ、オレサマは子守をするような性格ではないというのに。 「そのままだと風邪を引くぞ」  ただでさえ雨の日なんだからな、と寒いので着ていた白衣を脱ぎ、小娘にかける。  いつもなら振り払われるだろうが、風邪を引かれては困る。そこまで鬼──いや悪魔ではない。種族的には悪魔なのだが、そういうことではない。 「……む?」  書斎デスクの方に向かうと、我が物顔のブラックが上で眠っていた。  資料は蹴散らされ、ペンは倒れている。幸い、インクは零れていないようだ。 「まったく……」  オレサマは椅子に座る。そして机に伏した。 「………………」  ブラックの顔が目の前にある。オレサマは背中を撫でた。  ふわふわで、ツヤツヤしている。さすが研究の成果を活用して作ったボディーソープだ。 「………………ぐす」  瞼が重くなる。  今日は大変だった。  少しくらい、眠っても────。
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