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そのロッサナの作業を、エドアルドはじっと見ている。物珍しいのだろう。
ロッサナは、タケノコが途中で浮いてこないようにと落とし蓋をした。あとはこれで一時間ほど、火にかける。
そこまで作業をして、祖母に呼ばれた。どうやら昼ご飯の時間らしい。呼びにきた祖母は隣にいたエドアルドに気づき「エドアルドもよかったらどうぞ」と誘う。
エドアルドはもちろん、その誘いを断るようなことはしなかった。
昼ご飯を食べ終え、かまどに戻ってくると、タケノコの匂いが漂っている。そこで火を止めてこのまま冷ます。
先に米を浸水させておこう。そう思ったロッサナは、研いだ米を鍋に水と一緒に入れておいた。とりあえず、米は三合分、約四百五十グラムにした。失敗しても諦めがつく量である。
さらに、だし汁の準備をする。料理人に聞いたら、乾燥キノコと乾燥昆布を貰えた。
料理人たちも「そのタケノコご飯というものを食べさせてくださいね」という交換条件で、その食材をくれたのだ。
鍋でのご飯の炊き方は「はじめちょろちょろ中ぱっぱ赤子泣いても蓋とるな」である。
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