前編

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 そのロッサナの作業を、エドアルドはじっと見ている。物珍しいのだろう。  ロッサナは、タケノコが途中で浮いてこないようにと落とし蓋をした。あとはこれで一時間ほど、火にかける。  そこまで作業をして、祖母に呼ばれた。どうやら昼ご飯の時間らしい。呼びにきた祖母は隣にいたエドアルドに気づき「エドアルドもよかったらどうぞ」と誘う。  エドアルドはもちろん、その誘いを断るようなことはしなかった。  昼ご飯を食べ終え、かまどに戻ってくると、タケノコの匂いが漂っている。そこで火を止めてこのまま冷ます。  先に米を浸水させておこう。そう思ったロッサナは、研いだ米を鍋に水と一緒に入れておいた。とりあえず、米は三合分、約四百五十グラムにした。失敗しても諦めがつく量である。  さらに、だし汁の準備をする。料理人に聞いたら、乾燥キノコと乾燥昆布を貰えた。  料理人たちも「そのタケノコご飯というものを食べさせてくださいね」という交換条件で、その食材をくれたのだ。  鍋でのご飯の炊き方は「はじめちょろちょろ中ぱっぱ赤子泣いても蓋とるな」である。
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