前編

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 エドアルドが指したそれとは、残っているタケノコのこと。残ったタケノコはあく抜きをしてしまったため、ボウルにきれいな水を張っていれてある。 「はい、食べられます。食べてみますか?」  エドアルドが頷いたため、水に浸していたタケノコを一切れつまみ、水気を切ってから差し出した。 「どうぞ」  エドアルドは食べてみたいと言ったわりには、恐る恐るタケノコを受け取り、ゆっくりと口の中へ入れる。コリコリという食感を味わっている音が、ロッサナにまで聞こえてきた。 「なんか、変な食感だな。味はちょっと甘いような」 「甘味があるのが孟宗竹(もうそうちく)の特徴ですからね」 「なんか、酒が飲みたくなってきたな」 「少し味付けをすれば、酒のつまみにピッタリです」 「ご飯以外にも、料理に使えるのか?」  エドアルドは興味津々といった様子で、尋ねてくる。 「そうですね、炒め物、和え物、汁物、煮物とかですかね?」 「へえ、食べてみたいな」 「ええ、これからタケノコがたくさん生えてきますから。そうしたらいろんな料理を試してみましょう。でもエドさん。食べすぎはダメですよ」 「そうなのか?」
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