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エドアルドが指したそれとは、残っているタケノコのこと。残ったタケノコはあく抜きをしてしまったため、ボウルにきれいな水を張っていれてある。
「はい、食べられます。食べてみますか?」
エドアルドが頷いたため、水に浸していたタケノコを一切れつまみ、水気を切ってから差し出した。
「どうぞ」
エドアルドは食べてみたいと言ったわりには、恐る恐るタケノコを受け取り、ゆっくりと口の中へ入れる。コリコリという食感を味わっている音が、ロッサナにまで聞こえてきた。
「なんか、変な食感だな。味はちょっと甘いような」
「甘味があるのが孟宗竹の特徴ですからね」
「なんか、酒が飲みたくなってきたな」
「少し味付けをすれば、酒のつまみにピッタリです」
「ご飯以外にも、料理に使えるのか?」
エドアルドは興味津々といった様子で、尋ねてくる。
「そうですね、炒め物、和え物、汁物、煮物とかですかね?」
「へえ、食べてみたいな」
「ええ、これからタケノコがたくさん生えてきますから。そうしたらいろんな料理を試してみましょう。でもエドさん。食べすぎはダメですよ」
「そうなのか?」
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