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「はい、タケノコは食物繊維が豊富ですから、食べすぎるとお腹が痛くなってしまいます。他にも肌荒れとかいろいろあります。一日の量はこれくらいにおさえてください」
そう言ってロッサナは右手でグーを作る。
「わかった」
エドアルドは頷いた。
かまどの鍋がぐつぐつ言い出し、香ばしい匂いが漂ってきた。エドアルドがかまどに近づくが「蓋をとってはダメですよ」とロッサナが制する。
この時間では、タケノコご飯は夕飯ではなくおやつになるかもしれない。
タケノコご飯の蒸らしもそろそろ終わる頃。
蓋を取ると湯気がモワっと顔に襲い掛かった。
「いい匂いだな」
エドアルドのその言葉にロッサナは頷き、急いで木べらでご飯を混ぜた。底にはおこげができている。このおこげはタケノコの香りと調味料をぎゅっと凝縮しているから、格別に美味しい。
「熱いですから、気を付けて」
木べらでタケノコご飯をすくって、エドアルドの手に少しだけのせる。エドアルドは、熱い熱いと言いながら、口の中へゆっくりと放り込んだ。
「これが、米?」
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