前編

22/23

32人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
 ロッサナはタケノコの掘り方を教えながら、タケノコの掘った場所を記録しておく。タケノコシーズンが終わったら、竹林を伐採しなければならない。除草剤で枯らすという方法もあるけど、それでは来シーズのタケノコにも影響が出てくるだろう。やはり、地道に竹を伐採していくしかないか。  そしてここでまた思い出す。前世の記憶を――。  竹といったら、流しそうめん。絶対に子供たちが喜ぶ。  竹を伐採するときには、流しそうめんを企画してあげよう。でもそうめんはないから、流しそうめんではなく流しめん。めんは小麦で作れば良いし、祖母に聞けばなんとかなりそう。  もう、楽しみしかない。  王都へ行っていたエドアルドが戻ってきた。  レストランで季節限定メニューとしてタケノコを使った料理を売り出したところ、飛ぶように注文が入ったというのだ。メニューはもちろん炒め物とスープ。肉とナッツと筍の炒め物、肉とピーマンと筍の炒め物、卵とほうれん草と筍のスープ。今のところ、その三つのメニューを提供しているようだ。 「もう少し、メニューも考案していたいと言っていた」  とりあえずそのレストランとの契約は成立した。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加