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「でしたら、そこにのこぎりがありますから、お使いください。手袋をするのも忘れずに。次からは眼鏡を準備してくださいね」
ロッサナは大きな眼鏡をかけている。そしてロッサナは自分がかけていた目眼を外して、エドアルドにかけた。
「竹を伐採するときに、上からゴミが落ちてくることもありますから、目に入ると危ないのです。ここからバッサリいっちゃってください」
エドアルドの後ろから彼の両手を支えて、竹を切る位置を指示する。
「これ、男女の立場が逆じゃないか」
エドアルドがそう言ったが、竹の伐採をしたことのない彼は、素直にロッサナに従うしかない。
ロッサナは少し頬を上気させている。
最初、ロッサナに促されるままにのこぎりを引いたり押したりしていたエドアルドであるが、なんとか一本切り倒すことができた。
「なかなかの力仕事だな」
「ええ、慣れれば大したことありません」
倒れた竹の枝を、ロッサナは鉈でバサバサ落としていく。
「これ、一人では大変ではないのか?」
エドアルドは尋ねる。
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