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「はい、なんでしょう?」
「来月、とうとうあの王太子が結婚式を挙げるらしい。そのパーティに俺と出席してもらいたいのだが」
どんな嫌がらせだ? とロッサナは思った。
「エドさんもいじわるですね。私は、その王太子の元婚約者ですよ。その女を結婚パーティに誘うとか、おかしくないですか?」
「王太子の元婚約者はロッサナ・トスカーニであり、ロッサナ・フェレーリではないだろ? それに俺には君しか誘う相手がいないんだ。そこも察してくれ」
そこまで言われてしまうと断るに断れない。見た目は悪くないのに、女にもてないのだろうか。
「わかりました。正式な回答は、おじいさまとおばあさまに確認してからになりますが、それでよろしいですか?」
「ああ、問題ない」
それだけ言うとエドアルドは竹林から去っていった。
ロッサナは再び鉈を振り上げた。
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