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「エドが無理やりあなたにお願いしたのでしょう? わざわざ遠いところを来ていただいて、ありがとう」
優しそうな人だな、というのがエドアルドの母親に対する第一印象だった。
「それから、あのタケノコという食べ物。ロッサナちゃんが作っているって聞いたのだけれど」
「はい。私が管理しています」
「そう。あれを食べると、身体の調子がよくなるのよ。あれは年中は食べられないのよね」
「そうですね。ちょうど春先にできるものなので」
「また来年、楽しみにしているわ」
「はい、ありがとうございます」
ロッサナにはもれなくタケノコの話題がついてくるらしい。これでは間違いなくタケノコ令嬢だ。
それから、ドレスを合わせる。エドアルドが準備していたのは青いドレスだ。青くて、スレンダーラインのドレスである。ふんわりとしたスカートが流行っている中、あえて流行りとは別なデザインをもってきたらしい。だが、エドアルドの母親が言うには、どうやらエドアルドの好みのデザインとのこと。
「ロッサナ様は、細身ですのでとてもお似合いです」
侍女の言葉に、自然と笑みが零れた。
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