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思ったより悪くない。体系がかわったから、健康的な肌の色に深い青が映える。
気に食わないとしたら、エドアルドの好みにされてしまったことくらいだろうか。
とうとうパーティ当日がやって来た。
ロッサナとしては、めでたい気分にはなれない。
何しろあの王太子の結婚パーティとなれば、トスカーニ侯爵夫妻も出席するだろう。そんなことで、頭がいっぱいで、肝心のエドアルドがどこの貴族様であるかを確認するのを忘れていた。
王宮へと向かう馬車の中で、ロッサナは隣に座るエドアルドに尋ねた。
「エドさん。私、肝心なことを聞くのを忘れていました」
あまりにも真面目に言うものだから、エドアルドも何があったのか、と心配したのだろう。
「エドさんは、どちらの方ですか?」
なんとも言えない空気が流れる。
「どちらの方って、俺の家柄的なことを聞いているのか?」
そのエドアルドの問いにロッサナは頷く。
エドアルドは眉間にしわを刻んで、唸ってから答えた。
「エドアルド・ロレーヌ」
エドアルドのその答えに「え?」とロッサナは声をあげる。
さらに「ロレーヌ公爵?」と聞き返す。
それにエドアルドは大きく頷く。
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