後編

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 そう聞かれると、困る。  エドアルドが姿を消してからというもの、何かと彼のことを思い出していた。  今だって、結婚してほしいと言われ、タケノコの存在がなければ「はい」と答えていただろう。  だけど今は、タケノコが大事な時期。せっかく軌道に乗り始め、民の生活も豊になりつつある。  だから、即答できない。 「タケノコと同じくらいにエドさんのことも大事です。人間の中では一番」 「そうか」  人間の中で一番、エドアルドはその答えにとりあえず満足したらしい。  エドアルドとロッサナが婚約したのは、それから半年後のこと。  婚約しても結婚しても、ロッサナは春先になればタケノコを掘りに、祖父母の邸宅に泊まる。そこにエドアルドの姿があるのは言うまでもない。
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