悪魔王子の旦那様は今日もツンとデレている

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※※ 私はウェディングドレスから夜着に着替えると、すっかり暗くなった窓の外を自室から見上げる。 今夜は月を雲が覆い隠しており月も星も見えない。 (どんより暗くて……まるで私の心の中と一緒ね) 私はカーテンを閉めると与えられた部屋をじっくりと見渡した。 ルーカスから与えられた部屋は予想以上に広く、豪華絢爛な内装で公爵令嬢として育った私でも初めて部屋に入った時は感嘆の声を漏らしたくらいだ。 見たこともない大きなふかふかのベッドに高価な銀細工が施された調度品、部屋の中央には真っ白な百合の花が生けられ瑞々しい良い香りが部屋中を漂っている。 「それにしても……今日は疲れたわね」 私は椅子に腰掛けるとまたひとつため息をこぼした。 そしてすぐにルーカスから別れ際に言われた言葉が蘇ってくる。 「……なんなのよっ」 あのあとルーカスの腕を掴んで退場した私は夜に王宮で行われる、花嫁のお披露目を兼ねた晩餐会に出席するつもりだったのだが、ルーカスが何やら動悸が激しく体調不良とのことで、急遽取りやめになったのだ。 「確かにとてもお怒りだったのか……ずっとお顔も真っ赤にしてらしたけどあんまりだわ……っ」 (体調不良だなんて嘘ついて、そんなに私と食事したくないわけ?!) 私はひとり頬を膨らませた。 「そりゃあ、新婦から新郎に……ち、誓いのキスなんて……前代未聞でしょうけど……。私だって初めてだったのに……っ」 「きゅう……」
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