悪魔王子の旦那様は今日もツンとデレている

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「きゅうっ」 「あら完食ね」 ラピスは全てのナッツを食べ終わると髭の手入れをしながら満足そうにベッドにと向かっていく。 「ふふ、お腹いっぱいになって眠くなったのかしら……じゃあ冷めないうちに私も頂こうかしら」 私はラピスに目を細めながらスープを一口、口に含む。 「おいしい……」 トマトベースなのだが、酸味と甘味のバランスがちょうど良く出汁がよくきいている。 私はスープを飲み干すと、新鮮な野菜をふんだんに使ったサラダもあっという間に食べ終わる。そして今日のメインディッシュの魚料理に舌鼓を打った。 正直あまり食欲が湧いてなかった私だったが、どの料理も偶然にも私の好物ばかりで気づけば山盛りあった食事を全て食べ終わっていた。 「ふぅ、お腹いっぱいだわ」 私は席を立つと寝室へ向かう。ラピスはすでに丸くなって枕元で可愛い寝顔を見せていた。 「ふふっ、可愛い」 いつもなら眠る前は読書と決めているが、今日はお腹が満たされた途端、疲れからか急激に眠気が襲ってくる。 私は体をふかふかのベッドに沈み込ませた。 その時──ガチャッ! (──!!) 扉を開く音にラピスが身体をビクンと震わせるとすぐに私の髪の中に潜り込む。 私は音を立てないように枕元に置いている剣を静かに手繰り寄せた。 (誰?) 暗くてよく見えないがその大柄な人影は私のいる寝室に真っすぐに入って来る 「……リリー」 (え?!)
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