悪魔王子の旦那様は今日もツンとデレている

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※※ ──コンコンコンッ 「あいている、入りなさい」 「はい、お父様」 私は執務室の扉を開けると、お父様が腰かけている椅子の向かいに腰かけた。 お父様はこの世界に四つ存在する騎士団のひとつ、ノース騎士団の騎士団長を務めている。ノース騎士団はフォレストフィールド王国で最強の騎士団であり、国王からの信頼もあつい。 その並外れた剣技のセンスと、戦においてどんなに劣勢であっても必ず勝利を収めることから“鉄の守り神”と称されている自慢の父だ。 「リリー、父さんがなぜお前をここに呼んだかわかっているか?」 「えぇ、この間の伯爵令息のチャールズ様? チェルス?様でしたっけ。どうしても結婚したいと仰られますので私に剣で勝つことができたらと提案しましたの。そしたら口ほどにもなく……」 「ゴホン……」 私はお父様の咳払いにどこぞの令息のディスりをやむなく途中で終わらせた。 「彼はサウス騎士団の副団長の甥にあたられる、家柄はなにより温厚で生真面目な性格の方だ」 「温厚で生真面目かもしれませんが、あぁ弱くては私を生涯守りきってくださるとは思えませんわ」 (あんな貧弱色白伯爵令息と結婚するくらいならヤギとした方がマシよ……っ)
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