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 大和の瞳が光を失って見える。それはまるで、どうしようもなく胸が痛くて、それが隠せないでいるような瞳だ。そのすべてが胸に突き刺さって消えてくれない。  何度壊して粉々にしても、大和への心だけがしぶとく胸に残り続けてしまう。  もうずっと泣いてしまいそうだ。  思えば大和に出会ってから私は随分と涙もろくなった。どんなに泣いても大和は呆れずに私のそばにいて、私の心を大切にしてくれていた。だから私は涙を我慢する方法を忘れてしまったのだと思う。  私はこれから大和を拒絶する。触れられることさえ嫌だと言う。罵声を浴びせる。意識して大和を傷つける。 「ごめん、やっぱいい。……ごめん。泣かせたいわけじゃない」  そうしなければならないのに。大和の遣る瀬ない、切なげな声が聞こえたら、どうしても耐えられなかった。 「ま、って」  垂れ下がっていく彼の手を掴んだ。温かくてたくましい腕。いつも私を抱きしめてくれる優しい腕。  泣きたいのはどっちだろう。  大和は私の手を一瞥し、すぐに苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。 「ごめん、無理させたいわけじゃなかった」 「ちがうよ」
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