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 少しも反省していなさそうな笑顔で囁かれて、抗議する意思を砕かれる。親指の腹で唇に触れられると堪えられずにまた顔が熱くなって、隠すこともできずに大和の瞳を睨み上げた。 「大和ってたまにいじわるになるよね」  睨んで悪態をついたのに、彼はそれさえも愛おしそうに微笑むから、呼吸が止まってしまいそうになる。 「……わかんない? ただひかりに構ってほしくて必死になってるだけだよ」  そんなことを言われたら、ずっとここから出て行きたくなくなってしまう。困り果ててため息をつくと、大和は楽しそうに笑って私の頬に吸い付いた。 「キスばっかり」 「本当は噛みつきたいんだけど、ひかりがこれ以上真っ赤になったら可哀想だし、わりと我慢してる」 「それ、ぜんっぜん我慢に入らないからね」  あの手この手で引き込んでくる大和に呆れて、されるがままになっている。そのうちにポケットの携帯が鳴って、大和の唇を手で覆いながら携帯を取り出した。 「うわ!」  その画面に表示された時刻と電話をかけてきている相手の名前を見て、思わず声を上げてしまった。 「まって、もうすごい時間経ってる! 漣くんからお電話きちゃった!」 「これは切ってよし」
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