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私はまるで、積み木を積み上げることもできずに泣き出す幼い子どものようで、隣に寄り添う彼は、そんな私の手を取って、一つずつ、散らばった積み木を積み上げてくれた。
私は少しずつ、できることを増やしていった。
静かな部屋の中を磨き上げること、料理をすること、朝日を浴びること、散歩に行くこと、近所のコンビニにお使いに行くこと。
「ひかり、すげえじゃん」
メンタルクリニックから処方される薬の数が減ることはなかったが、十分に精神が落ち着き始めていることを感じていた。
「よかったな」
彼は、どんな私のことも肯定してくれていた。地獄の淵にいる間、彼はいつも私の側にいて、言葉にすることもできずに泣き出すと、すぐに私の体を優しく抱きしめてくれた。
「大丈夫だって。ひかりは一人じゃない。いつもそばにいるじゃん」
ずっと、本当に長い間私と彼はただ二人でこの部屋の中に閉じこもっていた。やがて彼は私の表情を見ながら、優しい笑みで言った。
「外に用があるから、晶はこの部屋の留守番をしてほしい」
「よう?」
「うん、仕事」
「あ……、お仕事」
二人で部屋に閉じこもっている間、私はずっと彼の人生をこの場所に押し留めている苦しさで涙を流していた。
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