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そこそこの盛り上がりを見せつつ、次々と話題が変わっていく。その様子を呆然と見つめ、息苦しさを感じ、ようやく呼吸を取り戻した。
「っ、は、…‥はっ、……ほし、やまと……?」
はじめから、星悠翔と星大和は少しも似ていなかった。話し方も、距離の詰め方も、笑い方も、何もかも違う。それなのにどうして私は同一人物として認識しようとしていたのか。
テーブルの上に放り出していた携帯を引っ掴んで、震える指先でインターネットブラウザを開く。
呼吸は乱れっぱなしで、心臓はひっきりなしに暴れ続けている。そのはずが全身が冷えきっていて、すべての文字を打ち終えるまでに途方もない時間が必要だった。
『ほしやまと』と打ち込んで検索をかけると、私がのろのろと文字を打つよりもずっと早く、現実が私の目の前に用意される。
あまりの速さで、心の準備をする時間もなかった。いや、違う。心を決めるための時間はいくらでもあったはずだ。
細かな違和感はいくらでもあった。それなのに私はそのすべてを無視してこの道にたどり着いた。
検索窓の下に彼の名前と職業、そして直近で撮影された画像が映し出される。
「ほし、やまと」
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