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 大和はすごく女性の扱いに慣れていて、こういう冗談も簡単に口にしてしまう。だからそれを間に受けて、心を乱したりしてはいけない。 「……そういうの、私の業務範囲外です」 「はは、嘘だろ。得意じゃん」 「はい?」 「どんなに疲れてても、俺のこと待ってる健気で可愛い嫁だろ。気まぐれ起こしてこんな時間に連れ出しても笑って許すし、ついでに俺の体の心配までしてくれてる」  すらすらと称賛の言葉が出てくる。そのすべてが当たり前のことなのに、大和は眩しそうに目を細めていた。そんなことが大和の傷を癒すのなら、たくさんの人がそうするだろう。  私である必要なんてどこにもない。 「そんなの、誰だってそうするよ」 「そう思うんならそうだな。ひかりのなかでは」 「ん、なんかちょっと嫌味な言い方だ」 「昌はちょっと優しすぎるところがあるから、俺が特別なんじゃなくて誰に対してもそうしてんのは知ってる」  冴え冴えとした瞳で呟く。大和の静かなつぶやきに、思わず息が止まってしまいそうだった。  私にとって星大和がどういう存在なのか。私の心のどこに位置しているのか。答えをかき消し続けて、私はまだ彼の隣にしがみついている。 「そういうわけじゃ……」 「それでなんか悩んでんじゃねえの」
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