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 人の気持ちはわからない。移ろい行くものだから、引き止めたり、熱を戻そうとしたりしても、無謀なことだ。それもよくわかっている。  いつまでも覚えていてくれるわけでもない。世間のほとんどが星悠翔を忘れていったように、毎年数多くのタレントが名前を消していくように、人の心はいつも忘却していく。  忘れていくことこそが人生だ。 「私だけはずっと、ずっと忘れないし、ずっと味方でいるし、ずっとファン第一号でいるからねって、そう言いたかった」  そういう人生の中で、私はずっと、覚えていたい。顔も知らない誰かに傷つけられたら、その分だけ私が大切にする。いつもそばにいる。何よりも素敵なのだと何度でも伝える。  だから、見知らぬ誰かの悪意に心を折ったり、輝きを曇らせたりしないでほしい。  あなたは誰かの代わりなんかじゃない。ただ一人の大切な人で、私はいつもあなたの輝きに魅せられている。  それを伝えたくて、水野愛子の話をしているはずが、大和に向けて話しているような気分になって、慌てて顔をそらした。  ドアガラスを見つめても、大和と視線が合ってしまいそうでドアロックを解除した。 「外の空気、吸ってくる!」
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