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 何一つ言葉にできない私に、大和は優しく教えてくれた。普段は目に毒だと思う夜の光たちも、遠くから見れば星のように美しい。  彼はいつも、美しい解釈で溺れる私の体を軽やかに引っ張り上げてくれる。眩しくて――眩しすぎて、胸の内に隠した感情が暴かれてしまいそうだ。 「大和、今のセリフかっこよすぎ。さてはドラマのやつだ」 「は、バレたか」  ふざけて笑ったら、同じように大和がふざけて返してくれる。  この光の中のどれかは、きっと大和の微笑みを映す光だろう。光の中にいるべき人が、闇の中で私を抱えながら笑っている。  途方もない奇跡に胸が震えて、口が動いた。 「大和」 「うん?」 「連れてきてくれて、ありがとう。……私、大和ことも、ずっと見てる、よ」  どんな思いがあって見つめているのかなんて、あなたは知らなくていい。  ただ過去の私の失言を消してしまいたくて、他の誰かがどう思っていたとしても、私は大和を大和として見つめていることを知っていて欲しくて、おかしなことをつぶやいた。  目が嘘をつかないと言われたから、互いに目の前に広がる星に視線を向けている今、告げられてよかった。  どうしても、知られたくない感情がある。  大和にだけは、知られてはならない感情だ。このところ、私はそれを隠そうと必死になっていた。  ――けれどもうすぐに、この生活にも終わりがくる。そうなれば、きっとこの先永久にこの想いに気づかれることはないだろう。 「っ、なんてね! はい、もう終わり! 帰りは私が運転するね!」  暗くなりそうな心をかき消して、大和の拘束から抜け出す。  何を言われるのか想像もできなくて、とにかくこの場所を離れたかった。ほとんど駆けるように足を動かして、車の前にたどり着く。
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