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 帰宅して、いつも通り一緒にベッドに入った。大和は常に私よりも後に眠りにつく。それは単純に私の寝つきがいいからではなく、彼が努力してそうしてくれていることを知っている。 「晶、寝てんの?」  だから私は意図して目を瞑り、小さく囁かれる問いかけを無視する。  そうして私が無視をすると、ようやく彼は目を瞑る。  しばらく遊ぶように私の髪を撫でていた手が再び私のお腹へと回る。抱きしめる腕にわずかに力が入り、離れかけていた体が重ねられた。  微かに穏やかな寝息が聞こえるのを感じて、ため息を吐く。 「お昼からなんて……嘘吐き」  ドライブから帰ってきて早々、大和は携帯を見ながら「やべ、明日朝からだった」とつぶやいた。心底驚いたような顔をして、次に困った顔をして、最後には私の笑いを誘うように少しおかしな顔をした。  それが彼の不注意ゆえに起きたエラーだと思えていれば、私はもう少しこの生活を続けていられたのかもしれない。  ――けれどもう、無理だ。  仕事に対して大和がどれほどストイックに取り組んでいるか、知らないわけがない。三年近くもそばで見つめているのだ。どれほど誠実に向き合っているのかを知るには十分な時間があった。
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