三つの部活  はじまり

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三つの部活  はじまり

中学生になると、部活へ入部するのが、その当時は、普通だったかもしれない、、、 しかし、あの頃の私は、可能な限り、一刻も早く、帰宅したかった、、、 給食問題もしかり、授業が終われば、なんなら走って帰宅していた、、、 入学式で、初めて声をかけてくれた子とは、意気投合して、すっかり仲良くなった。 彼女は、中学入学したら部活を楽しみにしていたらしく、早々に、部活動見学に誘われた、、、 目星はついているようだったが、とりあえず、全ての部活動を見学して、決めると言っていた。 「えぇぇーー、なんで入部しないの? 一緒に部活出来たら楽しいのに〜」 テンション高めで、説得してくる彼女を横目に、意外と、みんな部活動を楽しみにしている様子に、 若干、気持ちが動いた、、、が、、、 イヤイヤ、私は、帰宅部だから、、、と、頑なに決めていた。 運動部を、ぐるっと見学して、体育館で、発声練習をしている演劇部の横を通った時だった、 「よかったら、見学していきませんか?」 「1週間の体験入部もやってますから、是非、立ち寄って下さい〜」 すかさず、、、 「だって、、、1週間体験なんて、面白そうだから、行ってみようか?」 友人のサトミさんは、私より背が高く、顔立ちは、日本人離れしていて、大人っぽく見える綺麗な子だった。 だが、意外とキャピキャピしていて、ギャップがありすぎる子だった、、、 笑うと、黄色いスマイルみたいな、とにかく、いつも笑顔で、私を見る。 その笑顔に負けて、1週間の演劇部体験入部を決めた。 想定外だったが、少し楽しみだった、、、 「今日から、どうですか?」 特に予定もなく、サトミさんを見ると、満面の笑顔で、頷いていた、、、 思わず吹き出しそうになったが、成り行きに任せた。 演劇部員は20名程いて、自己紹介をしてから、まずはラジオ体操から始まった、、、 『ラジオ体操?、、、小学生の夏休み以来か?、、、』 心の中で、ボソボソとつぶやく私の隣で、1人、張り切って体操している、ちょっと浮いている、 サトミさんが、光って見えた、、、
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