やればできるじゃん!

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想定外から始まったプール、、、 水泳大会の選手を決める日が来た。 みんな、盛り上がるでもなく、淡々としていた姿が、私には、余裕なんだと見えた。 クラス委員だったので、進行役も務めながら、選手を選ぶ方法を考えていた。 「まず、立候補される方は、挙手して下さい」 返って来た言葉に驚いた、、、 「俺たち、殆ど、泳げる奴はいないと思うんだけど、まずは、泳げる人が、どれだけいるのか、、、?」 耳を疑って、目が点になった、、、 『ええぇっっ⁉︎ 、、、泳げないって、、、どういうこと?』   動揺を隠せない状況だったが、進行していかなければならなかった。 慌てて、、、「泳げる人、挙手お願いします」 その言葉で、5、6人が手を挙げながら、、、 「どれくらい、泳げたらいいわけ?」と質問された。 25メートルずつ、6名の選手で行う予定になっていた。 25メートルなら、、、と、10名の生徒が挙手してくれた。 クラスが、ざわついた。 25メートル以上泳げる人は3人だけだった。 「やっぱり、ナイチャーは宇宙人だね〜」と誰かが口にした瞬間、もう、決まったも同然となり、 私も、その中の1人になった。 想定外のプール着工、夏休みの練習、OKINAWAの子は、皆んな人魚の様に泳ぐものだと、 勝手な思い込みに、涙が出てきて、クラスの子に心配された。 これまでの、思い込みを、全て、話すと、皆、眉を下げて、言った、、、 「なんでまた、そんな風に思ったのさ〜」OKINAWAのイントネーションに救われた思いだった。 「聞いてくれたら、よかったさぁ〜」 肩をポンと叩かれ、皆んなの優しさと、恥ずかしい気持ちが、ごちゃごちゃになって、又、泣いた。 「泣くだけ泣いたら、縄跳びと同じように、優勝してよぉ〜」 そんな言葉を貰って、大会まで、必死に練習した。 飛び込み台に上がるたびに、怖さが消えることはなかった。 なんとも、水が怖い自分としては、頑張ったと思っている。 素人なりに、頑張った! 大会が始まると、予選で、足が攣って、途中で退場する生徒が続出した、、、動揺して、自分も不安になりながら、 予選通過していった、、、 本当に、口から心臓が飛び出そうになっていた、、、 帰りたい、、、けど、帰れない、、、 自分の番が来た、、、 飛び込み台に上がる時、急だったが、25メートルではなく、50メートル泳いでくれと、 言われて、何が何だかわからずに飛び込んだ、、、 アンカーだったからだ、、、 鼻に水が入って、苦しくて、なんでこんなに苦しみながら、泳いでんだ?‥‥ ‥‥そんな風に、心の中で葛藤している自分がいた‥‥ ‥‥心ので、50、、、50、、、と連呼していた‥‥ でも、泳ぎ切った、、、 水の中からゴジラのように上半身だけ上がり、左右を見ると、誰もいなくて、 目の前に、タオルを持った、クラスの友人たちの笑顔だけが見えた、、、何か言っているが、聞こえづらくて、 耳の水抜きをすると、凄まじい歓声だった、、、 うちのクラスは、一致団結して、優勝した。 泳げない生徒も、全員、プールに飛び込んで喜んでいた、、、 ようやく、、、OKINAWAに、、、このクラスに馴染んできたような気持ちになってきたことが、 嬉しかった。やればできるじゃん!
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