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犬って不思議
子犬が生まれたそうだ、、、
父が帰宅するなり、「友人の家で飼っているワンちゃんが、子犬を産んだそうだ」
そう切り出して、子犬を飼うか聞いてきたのだ、、、
実は、少し前に、家に侵入しようとした窃盗犯を見つけた父が、気にしていたこともあったからだ、、、
私達は、驚きながらも、ひとつ返事で、
「飼いたいです‼︎」
何も考えずに、飼いたいと言っていた。
後ろで、母だけが、何も言わずに、反対ではないが、賛成でもない、、、
そんな表情をしていた。
これまでは、犬や猫を飼った事がなく、6歳の時、子犬が足元へ走ってきて、私に、よじ登ろうとされた事があった。
一瞬、気絶しそうになるくらい、苦手だった。
通学路の途中で、鎖が5メートルくらいの首輪をつけた番犬がいて、他の子達には反応しないのに、
私が、近くを通ると、物凄い勢いで、走ってやってきて、歯茎を見せながら吠えるのです。
『私は、悪魔か‼︎』
と、思うほど、向こうも、命懸けのように吠えるのです。
理由は、わからないが、物凄く、私は、その当時、犬が怖かった。
その、私の恐怖が、犬には、より一層、恐怖に思えたのか、、、
恐怖って、恐怖を呼ぶものです。
通る度に、そんな勢いで、吠えられて、対策を考えました、、、
傘です、、、ワンタッチで開く傘を、犬の前に来た瞬間に、スイッチオン‼︎ で、傘が開くと、
驚いて、犬が、自分の小屋へ逃げて行きました。
その家の飼い主の方には、いつも、怖がらせて、ごめんね〜と言われていたので、
了承済みで、ワンタッチ傘を、堂々と、使ってました。
2、3回ほど、ワンタッチ傘を使うと、犬も、理解したのか、イヤイヤでしたが、
誰が通っても、尻尾を振って、苦笑いしているように見えたので、
歯茎を見せながら吠えることはしなくなった犬との思い出、、、
そんな経験がありながら、何を思ったか、子犬に会いたかった、、、
母が、子供の頃に、犬を飼っていた話を、初めて聞き、命を育てるということ、
最後まで、責任を持って、家族のように過ごすことができないのであれば、反対だと言われた。
OKINAWAに住んでいる間だけなのだと、母は、わかっていた。
今までも、これからも、転勤が多く、住まいの環境が、ペットを飼えない家だからだ、、、
OKINAWAへ来て、初めて犬が飼える家だったこと、、、よく考えて、皆で話し合った。
大切に育てることを約束して、飼うことになった。
次の日、その子は、やって来た、、、
小さな可愛い子犬だった。手のひらの上に乗せられる位、小さかった。
両耳は下がっていて、優しい穏やかな顔をして、焦茶色の柔らかい毛並みだった。
水を飲ませ、お腹が空いていると思い、ドッグフードをあげようとした矢先、
私たちが、昼食にエビ焼きそばを食べていたのを見つけて、テーブルの上の、
焼きそばの下で、尻尾を振って待っていたのだ、、、
そんな姿を見たら、、、
エビをあげてしまいました。
子犬とは思えぬほど、あっという間に、エビをたいらげて、まだ、食べれるよと言っているような仕草をしながら、
吠えていた子犬の名前を、〝リリー“と名づけた。
そう、女の子の、子犬です。
リリーは、中学英語の教科書の、1ページ目に出てくる単語から、選んだ、、、
なんとも、簡単に名前をつけましたが、リリーという名前は、家族皆が、忘れられない名前になったことは、
言うまでもありません。
車でドライブしたり、海へ行ったり、父の職場にある、野球もできるグランドや、芝生のある公園へ、
リリーを連れて出かけるようにもなって、毎日に張り合いが出たというか、私の気持ちにも変化が出て来たことに
気づいていけたことは、私にとって、掛け替えのない大事な毎日だった。
家族、、、父、母、私、妹、弟、、、その中で、1番、リリーと時間を過ごせない、父が、この家のマスターだと、
きちんとわかっていて、誰にも出来なかった、リリーのシャンプーを、父のひと言で、降参していたのが、
1番、驚いた。ワンチャンなのだが、水が苦手のようだった。
そんな子もいますよね、、、人と同じですね、、、
お世話はしていても、やはり、父の次は、母だということも理解していたリリーだった。
うちの家族以外には、どんなに面識があろうとも、吠える、、、しかも、歯茎を剥き出しにして、
不細工な顔で、吠えていた。
我が家の隣に、医療メーカーの会社があったのだが、毎朝、名前を呼んで挨拶する皆さんにも、気を許すことなく、
不審者を観るように吠えていたのが、終いには、笑えてくるようになった。
家族以外の人が、笑っても、優しく名前を呼んでも、吠えていた。
まだ、吠えてる、、、吠えている時に、リリーの体に触れると、吠えている怖い顔のまま、
振り向きざまに、ガウゥ‥‥と鳴いて、アッ、間違えたぁ!と態度を変えていたこともあった。
かわいい、本当に、忠実な番犬であり、家族でした。
シェパード犬と、ダックスフントのミックス犬だったことは、暫くしてから、知った。
数ヶ月で、両耳がシェパードらしく、ピンと立てた耳になり、顔も女の子なのに、凛々しくて、
毛並みも、シェパード犬の焦茶色で、でも、体の形は、ダックスフントだった。
胴が長めで、足が短い、、、愛嬌もあり、優しくて、この子が我が家にきてくれた事は、家族全員にとって、
癒しになった、、、リリーが居てくれたお陰で、忘れられないOKINAWAにもなった。
初めて犬を飼って、犬って不思議な動物だと感心したのがキッカケで、動物が好きになって、そこから、
不思議な力も貰った気がする。
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