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著作権の問題は?
女神は瞳をつむり、両手を顎の下に組む。
俺の前にいた3体の身体のうち1体が霧のようになり、俺にまとわり付いてくる。
俺は、視線が低くなるのを感じ、激しいめまいで思わず目を閉じた。
目を開けると3体の依代の身体はなくなっている。
女神が俺の姿を見て、満足そうな顔でうなづいていた。
「いかがでしょうか?」
女神が胸元に両手を構えると、A2サイズの鏡が現れた。
それに映る自分の姿は、青いジャケットに赤い蝶ネクタイ、半ズボン、黒縁の丸メガネに探偵帽の少年。惜しい。スケートボードは持っていなかった……
これって、著作権大丈夫なの?
それから女神は、細かく自分の作った世界の説明をした。
・世界は現世でいうところの中世ヨーロッパ並みの文化水準であること
・時間と距離、長さや重さの単位は現世日本をもとに作ってあること
・会話や読み書きは、そのまま日本語であること
・主食はコメ、料理水準は昭和初期のものを取り入れていること
・金銭は高い方から、金貨・銀貨・銅貨・鉄貨が流通しており、それぞれ10枚で次の貨幣に交換されること
・物価は西暦2,000年の日本に等しく、金貨1枚は1万円相当なこと
・モンスター(魔王が作り出した生物)を倒すごとにモンスターのレベルに応じて貨幣が落ちてくること
などなど
ビバ、テンプレ!!
至れり尽くせりとは、このことだ。
「質問はございますか?」
説明が終わった女神は、俺の顔をいとおしそうにに見つめた
俺は、女神の説明に一番大事なことが抜けていることに気づき、口に出した。
「あのう、異世界の住民のことをお聞きしたいのですが?」
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