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ハーフタイムショー
知人の招待で、ハンドボールの国際親善試合を見に行った。
高円宮様も見に来るようなきちんとした国際親善試合だった。
国歌斉唱を名前を知らない二人組の男性が歌った。
正直言ってあまり上手ではなかった。
ハーフタイムショーになってその二人がユーチューバーもしていて、二人組の歌手もしていることを知った。
10分間の休憩の間のショーだ。
歌っている時に周囲でダンスをするチームも呼ばれていた。
知っている人は知っているのだろうけれど、私はどちらも知らなかった。
でも、代々木第一体育館に呼ばれてハーフタイムショーに出演するのは彼らにとってはチャンスでもあり、選ばれたという喜びでもあるだろうと感じた。
きっと数多の人々が同じように歌い、YouTubeを流し、日々ダンスの練習をしてようやく晴れの場に出てくるのだろう。
ずっとずっと雨の中にいた自分たちが、雨の上がった外の世界に出られた一歩だったのかもしれない。
若々しい躍動感あふれるショーで見ていても楽しかったし、あぁ、こんなに夢中になれるものがあるんだなぁ。と、その熱量に試合以外の所でも感動を貰った。
今回のチャンスが彼らにとってどの程度のものだったのかは私には計り知れない。
もう結構有名で、あの程度の場には呼ばれるのが当たり前だと思っているレベルなのか、初めてのチャンスで緊張していたのかも分からない。
でも、雨の降る中から日の出る場所へ向かっている事は確かだろう。
皆、雨上がりの場所を探して日々を送っているのだろうなと思うと、若い人たちをとても応援したくなってしまった時間だった。
【了】
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