第2話

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第2話

 当日の雨の日はおしゃれもがっつりしていけば、天羽くんも身綺麗な格好をしてくれていた。それだけでテンションも爆上がりしそうなのを抑えるのが大変だったわ。いつもなら、雨の日はカフェとかで適当にコーヒーを注文して携帯アプリとかで時間つぶしするだけなので、おしゃれも適当だったのに。  特定の誰かと出かけるだけで舞い上がるなど、乙女真っ盛りだった十代の頃くらいだ。今も二十歳前だけど、趣味のせいでどこか達観していた時期を送り続けていたから……家族以外の誰かと出かける楽しみを感じられるのは貴重だ。今日の雨上がりは一段と楽しみになると、とりあえずランチを食べるのに並んでフードコートに向かった。 「夏芽って、大学だとスマートな服装してたけど。今日は可愛い系だな? いいと思う」 「……ありがとう」  さらっとモテ男発言をする天羽くんも、今更だが結構なイケメンだと認識出来た。ゼミの時はくじでペアになっただけだから適当に回答するつもりでいただけだったし、あんまり顔についての興味はなかったから。
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