第2話

3/4
前へ
/16ページ
次へ
 正直に告げても、天羽くんは私のことを馬鹿にするような感じではなかった。ただ、感心しているような微笑みを浮かべて、『いいな』と告げてくれたのだ。  やっぱり、この人は今までの同性異性の友だちや恋人とかと全然違う。自然体でいて良いってくらい、息をするのと同じように安心出来る相手だと思った。だけど、それが恋と言っていいのかはまだ確定できない。  とりあえず、どこかで遊ぶとかをすぐには決めずに、ランチを食べながら会話を続けることとなった。話題はお互いの趣味だけでなく、大学の講義の内容も加わった。面白くないものだと天羽くんが言っても、私が取っていないものでも新鮮に聞こえて楽しめた。日常生活で、しかも学生生活は趣味以外で味気ないものばかりだと思っていたのに……彼は違う。趣味を否定するどころか興味を抱いてくれたり、自分のも押しつけずにゆったりと共感させてくれたりするのだ。  こんな人、他にいない。大学に入学して二年目だけれどいい人と出会えたと確信できたのだ。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加