第3話

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「なんか。言いたくなって」 「変わってるな?」 「変でごめんね」 「悪い。からかったつもりはないよ。率直な感想」 「それだと、天羽くんも変わってるね。こんな同級生の趣味に付き合うだなんて」 「だって、俺らもう友だちだろ? お試しはとりあえず終わり」 「ふふ」  気負わない相手とこんなにも会話が続くのも、たしかに変かもしれないが楽しかった。  だから、いつもより多く笑えていたと思う。気持ちの方も、単純な好意から恋愛に変わるのも結局早くて……そこから、大学以外で二回ほど同じお出かけをするようになってから、私から告白したのだ。 「いいよ。俺でよければ。俺も夏……和香のことはずっと気になっていたから」 「ほんと?」 「今だから言うけど、ゼミで会った時から。……だから、くじでペア組めたのは嬉しかった」 「……ありがとう」  そこから雨上がりのタイミングを狙うために、デートをする回数が増えていく。キスとかセックスとか、そんな恋愛行動だけじゃなくてお互いの趣味を共感できる機会もとても楽しかった。今までの恋愛関係とかが子どもの遊びとかに思えるくらい、充実した過ごし方。
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