責任

2/2

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
 「ごめんなさい」 「謝ることはない、また次があるからゆっくり休みなさい。ここにいるからね」 手を握って眠るまで側にいた。 俺に復讐すればいいのに何故夢なんだ。悪いのは俺なのにこのことは社長に伏せておかなければ。離婚を切り出されてしまう。娘思いの父親。 「いいかね、くれぐれも夢を傷つけたりしたら絶対許さないからな。肝に銘じて置くように」 父親の言葉がグルグル頭を回る。 義男は焦った。何としてもこれで終わりにしなければ。何処にいる良子。 夢の体調が良くなった。しかし、元々身体が弱かったせいで横になることが多くなった。時々赤ん坊の泣き声が聞こえるということがあった。 程なくして籐で編んだバスケットが届いた。この時も夢が受け取った。中を開けて小さな声で叫んだ。 「可愛い赤ちゃん、私がママよ」 その様子を見てお手伝いがほほ笑んだ。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加