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その夜、高橋は同期の田中と一緒に飲んだ後、帰り道についた。仕事のストレスを発散させるために、久しぶりに田中と飲みに行くことにしたのだ。
「今日は楽しかったな、亮。たまにはこうやってリフレッシュしないと。」田中が笑顔で言った。
「そうだな、直人。たまにはこういうのも悪くない。」高橋も笑顔で答えた。
「そういえば、今日のミーティングどうだった?」
「まあ、順調だったよ。でも、佐藤さんが噂のイメージとちょっと違ったな。仕事にはすごく真剣だし、意外と鋭いところをついてくる。」高橋が答えた。
「おい!さっきはいいっていったじゃねーか!」
ふと前方を見ると、誰がが執拗に絡まれている姿が目に入った。
「おい、何してるんだ!」高橋は思わず声をかけた。
「くそっ!!やる気ねえなら最初から声かけるなよな」
男は暴言を吐いて去っていった。
「大丈夫ですか?」
絡まれていた人物が顔を上げた瞬間、高橋は驚愕した。「佐藤さん?」
「高橋さん、、、。ありがとう。助かったよ。」佐藤はほっとした表情で答えた。
「さっきの人知り合いですか?」高橋尋ねると、佐藤は少しためらいながらも答えた。「知らない知らない。ちょっと絡まれちゃって。」
佐藤は軽く笑って、「あ、そうだ。助けてもらったお礼に、奢るよ。親睦深めるためにもさ。一緒に飲みいこ!」と高橋を誘った。
高橋は少し驚き、断ろうとしたが、
「せっかくだし、いってこいよ!」と田中に押され、「じゃ、高橋くん借りてくね〜!!」と佐藤のペースにのまれた。
田中はニヤつきながらも「じゃな〜亮。また今度飲もうな。」と言ってそそくさと帰っていった。
佐藤は高橋の腕を軽く引っ張り、「さ!行こう!近くにいい居酒屋があるんだ。」と強引さに、高橋は仕方なく連行された。
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