2、第三王子様との出会い

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「名前は?」 「フェリシアだよ」  男の子から聞かれて、名前を答える。 「あなたの名前は?」 「オーウェン」 「オーウェンはどこから来たの?」  オーウェンは一瞬視線をさまよわせてから、洞窟の入り口の方を指差す。 「遠くから」 「そうなんだ。帰り方、分かる?」  転移魔法でここまで来たって言ってたから、帰りも同じ方法で帰れるのかな。と思ったんだけど、オーウェンはフルフルと首を横に振った。 「魔法はしばらく使えないから、適当に歩いて帰る」  魔法のことはよく分からないけど、いつでも好きな時に使えるわけじゃないんだ。 「とりあえず一緒に村まで戻ろうか。お父さんが町まで連れて行ってくれるかも」 「一人で大丈夫だから」 「行こっ」  一人でどこかに行こうとしているオーウェンの手を握って、行こうよと引っ張る。オーウェンは迷惑そうに眉を寄せたけど、私の手を振り解こうとはしなかった。  おせっかいだったかな。でも、なんだか放っておけなかったんだもの。適当に歩いていってちゃんとお家に戻れるのかも心配だし、それに何よりオーウェンが寂しそうに見えたから。  オーウェンと手を繋いで村に戻ったら、銀色の鎧を着た人たちがたくさんいた。一、二……、たぶん十人以上はいそう。  誰? 騎士? どうしてこんなところに?  村の人たちに話しかけてるみたいだけど、何かあったのかな? 「どうしたんだろう」 「思ったより早かったな」  オーウェンはため息混じりにつぶやき、パッと私の手を離した。それから、鎧を着た人たちのところに歩いていく。 「オーウェン?」  オーウェンまでどうしちゃったの? 状況がよく分からず、オーウェンの後を追う。
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