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2024.07.05 拙作についてのあれこれ
三文戯作書きで底辺投稿者の『泗水眞刀』です。
ここでは愚にもつかない駄文や、執筆中の物語の補足等をダラダラと書いて行きます。
興味のない方は無視して下さい。
私のメイン作品である『アンドローム ストーリーズ(聖大陸興亡志)』を語りましょう。
これはわたしが初めて、ちゃんと書いた小説です。
それ故に特別な思い入れがあり、大切な作品です。
永遠に終わらない物語、それを目指して書き始めました。
(多分どんなに熱心に書き進めても、完結を見る日は来ないでしょう。わたしの寿命が尽きるほうが早いのは確実です)
これを二十歳前に書き始めていれば、どうにかなったのかもしれませんが、いまさら詮ない繰り言です。
わたしの大風呂敷を広げる癖は子どものころからで、思い起こせば小学六年生の「修学旅行の感想文」を書いた時のことを鮮明に思い出します。
それは感想文と言ったものではありませんでした。
自分の感情や思いなどは一切書かず、ただ見たり聞いたりしたことを延々と書き連ねるのです。
普通は感想文などという面倒くさいものは、さっさと誤魔化したくなるはずなのですが、わたしは長々と文字を綴りました。
(それでも書き足りない思いだったのを、はっきりと覚えています)
この頃からわたしの『長い物語好き』は、すでに始まっていたのですね。
ほら、ほら、こうして話しが逸れて、どんどん長くなってしまうのです。
まず本題に入る前に、わたしがどうやって物語を書くことに目覚めたのかをお話ししましょう。
例のごとく多少長くなると思いますが、どうかお聞きください。
わたしは幼少期(物心がついて以来)、本が大好きでした。
しかし家庭が貧しかったので、滅多に本など買ってもらえません。
わたしの幼少期が日本という国に貧しさが残っていた、最後の時代だったのではないでしょうか。
(そもそもわが家庭で、本を読む人間など見たことがなかったです)
小説以前に、漫画やアニメに夢中になりました。
小学生になったころには、大のマンガ少年となっておりました。
ですが自由にまんが雑誌など見る機会がなく、一冊の雑誌を飽きもせずに繰り返し見ていたような気がします。
母方の親戚(伯母さん)のところに行くと、大量のマンガがありました。
お寺である伯母さん宅は子ども心にも、我が家と比べれば裕福そうに感じられました。
そこには七歳年上の、従姉のお姉さんがいました。
ひとり娘で、なに不自由なく育ったような女の子です。
そのお姉さんが漫画が大好きで、ここに行けば溢れるばかりの本と出合えます。
年に数度行くこの親戚の所は、わたしにとっては天国のような場所でした。
あろうことか女子中学生になったばかりの頃でありながら、そこにある雑誌は『なかよし』や『りぼん』といった少女漫画ではなく『冒険王』でした。
そうです、お姉さんは少年漫画のファンだったのです。
とくに好んでいたのは、石森章太郎(まだ石ノ森ではないですよ)の『サイボーグ009』でした。
ほかには『光文社カッパコミック版・鉄腕アトム』が何冊もありました。
『月刊・冒険王』は付録も含め、捨てられもせずに何年分もストックされています。
石森章太郎の単行本は009のほかに『幻魔大戦』『アンドロイドⅤ』等のタイトルがありました。
009の本名『島村 丈』という響きに、言いようのないカッコよさを覚えました。
敵のエースであるアポロから、009が訊かれます。
「まさかキミの武器は、加速装置とレイガンだけだというんじゃないだろうね」
それに対して009はこう答えるのです。
「あとは、勇気だけだ」
少年のわたしにとって、カッコよさの極致でした。
また別のエピソードでは、驚愕するラストを見せられます。
(実際には、これが009の最終回だと言われています)
地球での爆発を防ぐために009は、敵を宇宙空間まで連れてゆきます。
しかしはじめから彼には、再び地上へと戻るすべはないのです。
死を覚悟した行為でした。
そこへ002こと(ジェット・リンク)が助けに来ます。
彼の能力はジェット噴射で飛ぶことなのです。
009はジェットの友情に感謝しながらも言います、
「ぼくはもうだめだ、きみだけ戻ってくれ」
しかしその答えは絶望的なものでした。
「もう無理だ、燃料が残っていない」
追ってきたジェットも、それをわかっていてここまで来たのです。
友をひとりで死なせたくなかったのでしょう。
ふたりは燃え尽きながら体を抱き合い、大気圏へと突入します。
ジェットが言います。
「ねえジョー、きみはどこに落ちたい」
このシーンこそが、いまや大ブームとなっているBLの元祖だと言われています。
自分の命がないことをわかっていながら、友のために行く道を選んだジェットには、少年ながらも不思議な魅力を覚えました。
このたったひとつのシーンで、ジェットは主役であるジョーを超えてしまいました。
当時は表現しようがなかったのですが、たしかにそこにある種の美を感じていたと思います。
地上では流れ星を眺めながら、少女が祈ります。
「世界が平和でありますように」
その流れ星は、燃え尽きてしまったふたりの体だったのです。
なんとも物哀しい、少年漫画にはありえないラストシーンでした。
009のこのふたつのエピソードは有名で、幾人もの著名な方がもっと巧い表現で回顧していらっしゃいますので、お読みください。
わたしが書いたのはうろ覚えですので、セリフや細かいシーンには間違いがあると思います。
それはご愛嬌としてご容赦ください。
こういった具合に話しがどんどんと横道に迷い込み、だらだらと長くなるのは癖です。
治りませんので、大きな心でお許しください。
次回こそは、話しを進めたいと思います。
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