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4.
☆☆☆
フライムートが回復するにつれ、地下で休んでいた使用人たちも起き上がれるようになってきて、それぞれの仕事をこなすようになた。
魔力を持った者たちを統括する王があのように体調を崩すと、他の魔力を持った者たちの力も、王を救うために、王の元へと誘導されるらしい。だから、他の魔力を持った者たちも、徐々に動けなくなるという悪循環のようだ。
そして、驚いたことに、あのモンスターと呼ばれる生き物たちは、魔王が作り出した幻影にすぎなかった。
フライムートが言うには、それもこれも勇者と聖女が結婚するように、という天の声の導きなのだとか。
ユリアナはここの使用人たちと一緒に城の掃除やら洗濯やら何やらをこなすようになった。使用人たちが動くようになったからか、暗くて不気味だったこの城にも華やかさが戻ってきた。
不気味だったエントランスには花が飾られ、シャンデリアはきらきらと輝いている。重々しくて開けるのを躊躇うような入り口の扉も、人を迎えるように整えられた。
でも使用人たちは、聖女ユリアナが勇者クリスのプロポーズを断ったという事実に驚きを隠せなかったようだ。
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