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「そうですニャ。魔王とは魔力を持った者たちを統括する王のことだニャ」  フライムートとニャンとくんからの告白に、ユリアナは目を見開く。 (魔王って魔族の王様というわけではなかったの?) 「え。そうだったの? どこにも悪い要素が無いじゃない」  てっきり魔王とは魔族の王様のことであると思っていたから、ユリアナは人間対魔族という構図を頭の中に思い浮かべていたのだ。 「その通り」  フライムートは目を伏せ、静かに呟く。そう言われると、彼からは禍々しい気配は感じない。ただ、溢れてくる魔力を感じるだけ。 「え? じゃあ、なんで私たちはあなたのことを倒したの?」  ユリアナのその疑問は正しい。てっきり人間対魔族の戦いであって、その魔族が人間を襲うものである、と思っていたから。その人間たちの生活を守るために魔王を倒す、という使命だと思っていた。 「それは、お前が勇者と結婚するためだろう?」  フライムートの口から出てきた言葉は、ユリアナが思ってもいない言葉だった。 「え? そういうことなの?」  ユリアナはじっと魔王を見つめて尋ねる。 「そういうことだ。逆に聞きたいのだが、それ以外の何がある?」
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