子供達と陰と陽

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子どもたちが帰り 同級生と俺と紫苑の三人だけが店にいる 居酒屋の開店時間まであと1時間半 片付けが終わり 少し休憩をしている時 紫苑 『ねぇまぁにぃ』 「ん?」 紫苑 『あの中学生の兄妹なんだけど…』 「あぁ 陰だろ? 気づいてか」 紫苑 『う、うん』 同級生 『な、なに? あの子らどうかしたのか?』 「お前には言ってなかったけどよ この子供食堂を始めて ここに来る子の半分以上は陰を纏ってて 黒い靄を背負ったように見えてたんだよ」 同級生 『はぁ? な、なに? れ、霊に憑かれてるとかか? や、やめてくれよ』 「違う そうじゃない やっぱここに来る子達って 何かしら家庭に問題を抱えた子が多いだろ」 同級生 『あ、あぁ』 「経済的に余裕がない家庭で育ち 色々我慢して生きている 普通の子が普通に出来ること 普通に買ってもらえる物がこういう子達は中々な…」 同級生 『それが陰と関係してるって言う事なのか?』 「あぁおそらくな 子供って見てないようで良く親を見てんだよ 小学校低学年の子でも 自分の家がどういう状況か分かっているもんなんだよな だから 例えばだけどよ 流行り物の筆箱とか鉛筆とかよ 周りのみんなは買ってもらえるけど 自分は買ってもらえない 親に買ってと言いたいけど 家の状況を分かっているから我慢する こういうのが積もり積もって 陰を纏ってしまう場合があるんだよな」 同級生 『俺にはその陰ってのは分からんけどよ その陰ってのは消せるのか?』 「あぁ消せるよ 嬉しい事や楽しい事が増えれば自然と消える ここに来る小学生も最初は影を纏ってた子が その陰が消えてたり薄くなっていたり そういう子が多くなってきてるからな」 同級生 「そ、そうなのか 良かった…」
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