子供達と陰と陽

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「だけど あの中学生の兄妹は中々その陰が消えないどころか薄くもならない…」 同級生 『ど、どういう事だ?』 「小学生の子達は数回ここに来るようになって陰が薄くなって消えていく子が多かったんだよ 腹いっぱい食ってみんなでワイワイ話したり宿題したりな そうやって楽しい事が増えて陽がたまると言えばいいか… 自分自身のいい気が増えて気持ち的に楽なってきているって事なんだよな」 同級生 『じゃああの中学生の兄妹はここが楽しくないって事なのかな…』 「いやそうじゃない あの兄妹はここに来るようになって顔色も良くなってきたし学校の出来事とか 話してくれるだろ」 同級生 『そうだな』 「紫苑なんだと思う? あの兄妹の陰が消えない理由って」 紫苑 『もしかしてだけど… 家庭の問題が根深いとかかな…』 「俺もそうだと思う それに中学生ってよ 子供から大人になる準備段階でもある 色んな物事を自分で考えるようになる 小学生の頃よりも見える世界が広がる 小学生の時に見えなかった世間が見え それに対してより深く考え込んでしまう そういうのもあると思うんだよな」 同級生 『な、なぁ… 虐待ってことはないよな?』 「虐待なぁ 可能性はゼロではないとは思うが… なぁ紫苑 ジャージのサイズ合わせの時 お前妹の手伝ったよな 傷やアザはなかったか?」 紫苑 『服を脱がせて合わせたわけじゃないから… でも肩とかちらっと見えたお腹とか あと見える範囲にはそういうのはなかったと思う あればその時点でまぁにぃに言ってるはずだし』 「そうだよな やっぱり家庭の経済的な問題の可能性が高いと思う」 同級生 『そうか… 何とかならんかな…』 「そうだなぁ 今うちの子には中学生はいないんだよな 来年になれば1番下の子が中学生になるんだけどよ… それに教師も移動があったみたいでうちの子供らの担任だった教師はいないって聞いたしよ」 同級生 『難しいもんだな…』 「とにかくやれる事はやろうや 今俺やお前にできることは子供達に腹いっぱい食わせる事だろ ぶっちゃけて言うけど 全部の問題を解決する全員を助けるなんて無理なんだよ やれる範囲で自分達の周りだけにでも手を差し伸べられるようにするしかないんだよな」 同級生 『そうだよな…』
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