模索

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夜になり歩いて店に向かう 15分程して店の前に着き引き戸を開けると いらっしゃいと同級生の声が聞こえた 店内に入ると 同級生 『おぉ玉二郎か カウンターの端にでも座ってくれや』 俺は言われるままカウンターの端に座る 同級生 『何か飲むか?』 「じゃあ、ビールとあと適当にツマミくれるか?」 俺の前にビールが置かれ 同級生が手早く作ったツマミが並ぶ 同級生 『電話で言ってた話ってなんだ?』 俺は息子の友達の事 小学校にはそういう子が何人もいる事 何かしてあげられないかと言う事 ネットで子供食堂の存在を知った事 とにかく思っている事を言った 「それでよ 飲食店をやっているお前なら 何か案が思いつくかもと思ってな それで話をしたいと思ったんだよ」 同級生 『そういう事か お前も色々と考えてんだな』 「俺には息子も娘もいるしな もし自分の子供がって思ってしまうんだよな それに俺自身中学の頃、親父が事業に失敗して借金作って 一時だったけど大変な時期があったしよ 少ない量の飯で足りるわけもなく弟や妹がお腹空いたって言ってさ 自分の飯分けたり 当時 新聞配達してたからそのお金でお菓子買って与えたりしたしな」 同級生 『あー そうだったな』 「でも俺の場合はよ 近所の人が野菜持ってきてくれたり ばあさんがなんとか借金を早く返せるようにしてくれたから そこまで大変って事はなかったんだよ でも先が見えないこのご時世 こういう子供達って大人になるまでしんどい思いするのかなってな」 同級生 『俺も施設時代は腹いっぱい食えるってなかったな お菓子なんて頻繁に食えるもんでもなかったし 修学旅行も行けなかったしな』 「役所にいっても門前払いされるのは分かるし 何か策はねぇかなぁ」 同級生 『ならよ 俺の店で子供食堂やってみるか?』 「この店で?」 同級生 『子供食堂の存在は知ってたし 俺自身も自分の経験から子供食堂の事を考えた事はあったんだよ でも中々出来なくてな それにどこか場所探すにしても色々と許可が必要になるし ここなら消防法でも食品衛生でもすべて許可はある ならここでやればいい それに俺は独身だけど子供は嫌いじゃないしよ』 「お前大変になるだろうよ」 同級生 『その辺は大丈夫だわ 遅くまでやる店じゃないし 店舗だって小さいしよ それにお客さんだってほとんどが常連さん ようは気楽にやれる店だな』 「お前がいいって言うならやれるだけやってみるか?」 同級生 『おおぅよ やらないでモヤモヤするより 駄目でもやってみた方がいいだろ』 「ありがとな じゃあ俺は帰って子供食堂に関する事色々と調べてみるわ」 俺はカウンターにお金を置き帰ろうとする 同級生 『ちょいちょい 金多いよ』 「いくら店舗があるとは言え 子供食堂をするなら 準備はあるだろ? その足しにしてくれたらいいよ」 同級生 『そういう事なら預かっとくわ』 それから数週間 子供食堂に関しての事を 俺は俺なりに 同級生は同級生なりに調べ考える
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