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「お疲れ様でした」
「見に来てくれてありがとう」
駅前で待ち合わをして、近くの居酒屋に入ってジョッキをカンっと合わせる。
「澤上さんは結構飲める感じ?」
「そうですね。結構お酒は好きです」
「いいねー、飲もう飲もう」
満足そうに微笑んでジョッキに口をつける如月さんをみてあたしもゴクゴクっとビールを飲む。
ビールは1杯目が一番好きだ、1杯目はちょうど喉がかわいていることもありいつも一気に飲み干してしまう。
「いい飲みっぷり」
「あっ、美味しくてつい……」
大学のサークルメンバーのノリで飲み干してしまって、本当は如月さんの前だから少しづつ飲もうとしていたのにビール美味しさには勝てずに失敗したなと感じる。
「せっかく飲みに来てるんだし、そのくらい気持ちよく飲んでくれた方が嬉しいよ。俺は」
「美味しいお酒には抗えないですからね」
「会社の飲み会くらいでしか女の子と飲むことないけど、結構みんなチビチビ飲んでてさ。そんなに飲めないならしかたないけど……俺は澤上さんみたいな飲みっぷりの方が好きかな」
「よかったです」
別に好意を示されたわけじゃないのにドキドキしてしまうのはなぜだろうか。
あと、会社の子たちがチビチビと飲まないのはその方が可愛いし、如月さんがいるからだとあたしは思う。
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