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「おはよ、澤上さん」
「如月さん!おはようございます!」
月曜日。
受付に座って、出社する社員に挨拶をするのが1日の最初の仕事。
ペコッと会釈をしていくひともいれば、話しかけて来る人もいる。
朝の出勤は当番で交代制になっているので、君塚さんと毎日交代で早出をしている。
「俺、携帯壊れちゃってさ。新しくしたから澤上さんのメッセージ見れてないんだけどあの後送ってくれてたよね?」
「あっ、はい!家に着いたってだけなので気にしないでください」
「俺から送ってって言ったのにごめんね。新しくしたからもうやり取りできるから。また誘うね」
本当に申し訳ない顔をする如月さんに、嫌われたわけじゃなくてよかったとホッとする。
「全然大丈夫です。今日も1日頑張りましょうね」
「うん、澤上さんに言われるとなんか頑張れる気がする。不思議」
ニコッと爽やかに笑って「じゃっ」とエレベーターへ向かって歩いて行く。
「如月さんとめっちゃ仲良くなってねぇか?」
次にやってきたのは青砥くん。
そういえば今日は月曜日だから青砥くんも会社に来てるんだった。
「よくしてもらってるだけだよ。仕事頑張ろうね」
「……?なんかなぁ……」
「なによ」
「如月さん、昔の彼女と選んだっていうグローブをいまだに使ってるから、あんまり深入りしないの方がいいぞ」
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