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「そういえば、星那まだあのキーホルダーしてたなぁ。新しいスマホにもしてた」
「グローブのですか?」
「そうそう。本当はやく前に進んで欲しいんだけどなあ……」
「やっぱりあれって高校生のときに付き合ってた元カノとの思い出なんですか?」
さっきの青砥くんの言葉を思い出す。
「そ。グローブ一緒に選びに行って、そのグローブと同じキーホルダーを彼女がプレゼントしてくれた見たい。ずっと忘れられないみたいでね」
「……そうなんですね」
さっきまで元彼のことを考えていたのに今度は頭の中は如月さんでいっぱいになってくる。
「携帯もその元カノの家で壊れたんだって」
「……え?」
君塚さんの話が本当ならあの時連絡を寄越していたのはその元カノということになる。
連絡がきたときに一瞬歪んだ表情は気のせいなんかじゃなかったのか。
「元カノにはずっと付き合ってる彼氏がいるんだけど、うまくいかないと呼ばれるみたいだよ」
君塚さんは「ここだけの話ね」って人差し指を唇の前に置く。
「なんかそれ、都合いいですね」
「そうなんだよね。でも星那はずっと好きだから毎回律儀に行くの」
「それって身体の関係ってことですか?」
「聞くねぇー。まぁそんなところよ」
会社出するような話ではないだろう。
でも、今は全然お客さんもこないので誰も聞いてる人はいない。
もちろんお客さんがきたらちゃんと話はやめる。
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