92人が本棚に入れています
本棚に追加
/82ページ
4
「澤上さんってパソコンできたよね？」
「はい。資格は一通り。でもどうしたんですか？」
週明け、如月さんに会うの嫌だし出勤したくないなぁーと思いながらも社会人はそんなこともできるわけもなくいつも通りに出勤して、早出当番の君塚さんに「おはようございます」と言ったところ、話題を振られた。
「第一の営業事務の子が急に来なくなったんだって」
「えっ！ブッチってやつですか！？」
「そう、先週の金曜日から来なくなったみたい。で、いま下旬だから見積もりやら請求やら書類作成がめっちゃ溜まってるんだって」
「わー……大変だ」
「で、今週だけ澤上さんにお願いできないかなって話が来たの」
「え？あたしですか？別に構いませんけど受付は？」
「大丈夫。1人でやれるから！ごめんね、急に初めての環境で緊張するかもしれないけど……」
申し訳なさそうに眉を下げる君塚さん。
「あ、それは大丈夫です。全然やりますよ」
「じゃあついでに週末にきてた第一の郵便もってってくれる？」
「はい。行ってきますね！」
君塚さんに渡された郵便物の束をもって、椅子から立ち上がる。
「今日は星那がいるから安心ね」
「……え？あぁ、そうか。第一営業部……」
「どうかした？」
「いえ！行ってきます！」
ペコッと頭を下げて、受付からでてエレベーターへと向かう。
最初のコメントを投稿しよう！