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「あの人が噂の好きな人ですか?」 結局一緒にカフェから出ることになった米内さんに聞くと「あぁー……」と気まずそうにするから、答えなんて明白だった。 聞かなくても答えなんて分かっていた。 色素が薄くて茶色いロングの髪の毛をなびかせて飛び込んできた女の子に如月さんの瞳は揺れていた。 「とっても可愛い人ですね」 「あんたやっぱり合コン!今日!」 「……は?急すぎません!?」 「いいから。嫌なことあったら飲む!俺はいないけど、あと一人女の子が欲しいって言ってたから連絡しとくなー。あと連絡先教えてー」 こっちが言葉を挟む余裕もなく話を進めて、あたし手に持っていたスマホを奪い取って「はい、顔ちょーだい」と人のスマホの顔認証まで突破してしまう。 「ご、強引すぎません!?」 「君の恋愛やたら俺の近くでするからいい加減気になってさ。新たな出会い会っても悪くないでしょ。あ、今回の合コンは社内合コンらしいから身分は保証するし」 「はぁ、わかりました。行きますよ」 多分この人に何を言っても無駄な気がして、誘いを受ける。 「お、じゃあ彼氏候補探し頑張ってよ」 「べつに彼氏って探して作るものじゃないと思いますけどね」 「いや、探すのもありだって。場所はメッセージしておくね」 「わかりました」 会社について、米内さんとは別れる。 「あっ、連絡先聞いたって智史に言ったら殺される黙っておこう」なんて声が聞こえたけど、そんなわけはない。ただ、智史にあたしの話題は出して欲しくないのでこの事は言わないでもらえると助かるけど。 しかし、元彼のお兄さんとこうして話すなんて微妙な関係でしかないけど。
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