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「いや、楽しいですよ」 正力さんは多分、話すのが上手いというか人と話すが好きなのだろう。 話していて嫌な気持ちには1度もなってない。 「じゃあこのままでいいよ。彼女が欲しいとかじゃなくて米内さんから澤上さんが来るって聞いたから頑張ったの。あとちゃんと澤上さんの事見とけって言われてるし」 「……見とけ?米内さんが?」 「……あー、うん」 何故か瞬きが多くなる正力さんを不思議に思いながらも注文した何杯目になるかわからないハイボールを口にする。 「飲みすぎじゃない?」 「最近嫌なことあっだから、飲まずにはいられないんですよ」 「ふーん。でもその位にしといた方がいいよ。すぐ飲みすぎるからセーブさせながら飲ませてねって言われてるから怒られるし」 「……?誰に?」 たしかにあたしはすぐお酒に逃げるし、考えないで飲むけど「米内さんに決まってるじゃん」って言われたって米内さんとは1度も飲みに行ったことがないので知らないはず。 智史に聞いたのかなとか思ったけど、こうしてお酒に逃げるようになったのは、智史と別れた後だから彼はこうなったあたしをしらない。 「米内さんは何も知らないのに何を知ってるって言うんだろうー」 「だから飲みすぎだって」 QRコードを読み込んで追加のお酒を頼んでいるあたしをみて、ため息をつく。 「大丈夫、1次会で帰るしタクシー乗るから」 「あー……もう俺にはお手上げだわ」 お酒美味しいなぁーなんでふわふわしてるいい気持ちで飲んでいたら、正力さんが立ち上がった。 「すみません」って声が聞こえたので見てみると、スマホを耳に当ててから誰かに電話をしているようだった。
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