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「おい、大丈夫かよ」
1次会が終わり、お店を出たところでさすがに酔いが回ってきてお店の前にあるベンチに座り込む。
「大丈夫です。もうタクシー来るので気にせず二次会にいってください」
「呼んでないのにこないだろ。電話してないし、スマホをいじってもいないんだから」
「どんだけあたしのことみてるんですか?ストーカーですか?」
「お前なぁ……」
はぁっとため息をついてあたしの目線に合わせるように目の前にしゃがむ。
「ちょっと待ってろよ」
ポンっとあたしの頭に手を触れたあと、立ち上がった。
周りでは「次のお店どうする?」などそんな声がガヤガヤと聞こえている。
まぁ、正力さんと話してそれなりに楽しめはしたけどあたしは合コンは向いてないなぁ。などと酔いが回った頭で考えていると、目の前に靴が見えた。
「正力さん、あたしタク……」
戻ってきたと思って顔をあげたらそこに居たのは正力さんじゃなくて如月さんで思わず「えっ」と声が漏れる。
「飲みすぎじゃない?」
「……え、なんで」
久しぶりに重なる視線にあんなに酔っていた頭がハッキリしてくる気がする。
「正力、飲ませすぎんなって言ったろ」
「いや、気づいたらすぐに次の頼んでるし俺のお酒も飲むし止められなかったんですよ」
「まぁ、いいや。帰るよ」
ベンチに座っているあたしの手を引いて立ち上がらせる。
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