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「あ!あと他にも人はいた。あいつは誰とでも距離が近いタイプだから、ああいう風に声をかけてくるだけで」 「ちょ、ちょっと待って……!」 必死に説明を続ける如月さんの言葉をとりあえず静止させる。 「如月さん、とりあえず頼みませんか?」 「……あっ、そうだな」 あたしの言葉にハッと我に返った如月さんは注文用のタブレットを操作する。 「澤上さんはハイボールでいい?」 「はい」 あたしの毎回たのむ飲み物をちゃんと分かってくれていることに少しくすぐったくなる。 「つまみは、適当に頼んじゃっていい?」と言われて頷くと如月さんは、慣れた手つきでメニューを選択したあと、タブレット置いた。 「ごめん、なんかすごい勢いで話ちまったな」 「いつもの如月さんじゃなかったですよ」 「俺だって、後悔したくない事のためなら焦るよ」 「後悔、したくないこと……」 如月さんの言葉を繰り返すと、また勘違いしそうな頭になってしまって、なんだか身体が熱くなってくる。 「少し、俺の昔話してもいい?」 「はい」 少し真剣な表情になった如月さんにあたしの背筋も伸びる。 「莱久は俺の幼なじみでさ、幼なじみは他に2人いて、莱久の双子の弟ともう1人同じ歳の女の子」 そんな話の最中、注文していたお酒が到着して「1週間お疲れ」と二人でグラスを合わせる。
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