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「待たせちゃった?」 「いえ、全然です。なんか緊張しちゃって早くついちゃって……」 待ち合わせは15時。如月さんが午前中は練習だったから、ちょっと遅めの待ち合わせ。 今日は特別な日だからと朝早くから美容室に行ってきて、いつもよりちょっと高いトリートメントにしてもらったりもして。時間があったから助かった。 服だって、前に買ってから全然着る機会もなかったけどお気に入りの服を着てる。 如月さんとこうしてお昼から会うのが実は初めてで、デートみたいじゃんって気持ちがあたしを高ぶらせる。 「なんか髪の毛ツヤツヤしてない?」 サラッとあたしの髪の毛に触れる手にドキドキしながらもいかにもデートに気合い入ってますなんて気づいて欲しくなくて「そうですか?」って気にしていない振りをする。 本当は気づいてくれたってことは、如月さんが普段からちゃんとあたしのことを見てくれている証拠で嬉しいくせに、それも悟られたくなくて顔に出ないように気をつける。 「今日、オシャレして来てくれたでしょ?可愛い」 「……っ、ありがとうございます」 不意打ちの可愛いは危険だ。 顔に出てしまいそうになる。 「行こうか、そこだから」 「……はい」 如月さんが指をさしたビルは待ち合わせ場所の目の前にあって、2人で並んでビルの中に入る。 「そういえば昼間に澤上さんと会うのは初めてだな」
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