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「あ、知り合い……?」 顔を上げた先にいたのは、とても気まずそうな顔をしている男性。 「受付で一緒に働いている澤上愛來ちゃん。ことしの新入社員だから智史と同じ歳」 「へぇ、そうなんだ」 「で、星那の彼女」 「……は?」 目の前で繰り広げられてる会話にあたしは言葉が出ない。 しかし、星那の彼女と紹介された後の智史の声は一層と低かった。 「なに、なんで不機嫌なのよ」 「いや、違う。星那って元カノのこと忘れられないんじゃなかったっけって」 「あー、智史に言ってなかったね。遂に元カノのことを忘れさせてくれる女の子に出会ったってことよ。って、デリカシーのない彼氏でごめん!知ってたとしても嫌だよね、こんな話」 「あ、いえ……」 申しわけなさそうな顔をする君塚さんだけど、あたしはそれどころじゃなかった。 やっぱり「彼氏」って言った。 ってことは、君塚さんこそがあの時の浮気相手ってことになるんだ。 「まぁ、星那と愛來ちゃんはラブラブだから大丈夫か!」 「はは、そうですね」 「あたしたちも負けないけどね!」 君塚さんが智史の手を取るけど、そんなものは見たくもない光景で。 「あたし、財布忘れたんでかえります」 もうこれ以上これを見るなんて耐えられなくて、逃げるようにコンビニから出る。
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