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「早瀬だったらこんな風にイチャイチャできないよ」と笑う。 その顔がどうにも色っぽくて、さっきの嫌な気持ちとか全てなくなる力を持っていて、星那の首へ自分の腕を絡ませる。 「あ、そういえば柚月に会ったんだんって?」 「……え?」 「メッセージきてた。智史が俺の元カノの話し出したんだっね?それでさっきなんか様子変だった?」 ちゅっとあたしの唇に触れるだけのキスをする。 「うん、でももう大丈夫。星那に甘えたらどうでもよくなった」 「そっか、よかった」 「君塚さんの彼氏のこと、星那も知ってるんだね」 智史の話なんてここで終わらせたらよかったのに。 どうして自分から振ってしまったのだろうか。 「泰志の弟なんだよ。俺、柚月から色々相談されてたからふたりが泰志が付き合えたのめっちゃ嬉しかったんだよね。2年経ってもまだラブラブなんだよ」 星那の言葉にどんどん自分の心が冷えていくのを感じる。 「……へぇー、そうなんだ」 「俺らが智史に出会った当時、智史には彼女がいてさ、柚月がそれでも一目惚れしちゃって、アプローチしまくって智史が彼女じゃなくて柚月のことを好きになったって聞いたときは自分の事のように嬉しかったよ」 思い出すだけでも嬉しそうな星那にストンっと自分からなにかが抜け落ちた気がした。 「ごめん、星那。帰りたい」 抱きしめられていた腕を無理やり払って星那の腕の中から抜け出す。
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